2020年東京オリンピックが決定してからというもの、根強かった誘致反対の声はすっかり鳴りをひそめた。だが、歓迎ムードに抗してあくまで反対を訴え続ける人々がいる。今年1月に結成された市民団体「反五輪の会」(http://hangorin.tumblr.com/)だ。 「反五輪の会」がオリンピック開催に反対する最大の理由は、それが社会的弱者の排除・抑圧につながるからだという。大きなスポーツ・イベントのたびにホームレスが排除される現象は、世界中で起きているのだそうだ。日本でも、2002年日韓共催サッカーW杯の会場となった大阪・長居公園から野宿者のテントが強制撤去されたことがある。「反五輪の会」は、今後7年間続く競技場建設と再開発ラッシュによって、東京中でホームレスの排除が行われることを危惧している。 実は、すでに排除は始まっている。今年3月4〜7日のIOC評価委員会の候補地調査に先立ち、視察