ガチで死合いをしてるのはパリコレの方。基本的に禁じ手が無い。コレクションには二つのルールがある。「キチガイ服有りルール」そして「キチガイ服無しルール」だ。例えばジルサンダーの服は「キチガイ服無しルールに留まりながら如何にキチガイ服を作るか」というルールで作られている。今まではどちらかに振り切るしかなかった。だからジルサンダーの「その中間で試行錯誤をする服」というのが新しく、そして面白かった訳だ。(但し今のジルサンダーはキチガイ服有りルールのラフシモンズがデザイナーとなり、事情が少し変わってきている)キチガイ服という概念は80年代に日本人デザイナーが持ち込んだ。抽象絵画級の大発明だった。それによってグッと表現領域というのが広がった。でも今はどちらも当たり前にある。完全に相対化された。キチガイ服を作る事がアドバンテージにはならない。今は「キチガイ服無しのデザイナーがキチガイ服的要素を取り入れる