「お気に入りの楽曲をiPodで楽しもう!」 ここは、東京都中野区にある音楽・映像ソフトのレンタルショップ。店内の邦楽アーティストの棚には、こんな垂れ幕がかかっている。この店は私鉄の急行停車駅が最寄りとなっており、幹線道路にも面しているため、いつも客足が多い。 週末ともなれば、目当ての音楽CDや映画のDVDを探しに来るお客でごった返す。「新作アルバムを5本借りればパックで1000円」とお手頃な価格設定のため、音楽CDを一度にたくさん借り、iPodのような携帯音楽プレーヤーにインポートして楽しむ音楽ファンも多いという。 この光景、我々にとってはよく見かける日常の1コマに過ぎない。だが、レコード会社の社員に言わせれば、「不安を覚える光景」なのだという。ある中堅レコード会社で働くディレクターは、こう語る。 「音楽CDのレンタルショップは、“貸与権”という著作権保護の枠組みの中で営業しています。発売