かくれた次元 エドワード・ホール みすず書房 1980 Edward T. Hall The Hidden Dimension 1966 [訳]日高敏隆・佐藤信行 テレビなどで動物の映像記録を見ていると、いろいろ教えられる。キリがないくらいだ。そのなかのひとつだが、意外なことに動物たちの多くが敵や追走者がある程度近づくまで逃げようとしていないということがある。最初はゆっくりとしか動かない。あるいはじっとする。そしてかなり相手が近づいてから、バッと逃げていく。 これは動物に逃走距離あるいは臨界距離があることを暗示する。その距離にならないと逃走のトリガーにスウィッチが入らないのだろう。ということは、おそらくそれぞれの動物たちには「混みあい」の度合を調整する何かの機能が隠れているはずなのだ。しかし、セイウチやオットセイの混みあい方とフラミンゴやミツバチの混みあい方とは異なっている。 これらはふだ