平成27年1月14日 独立行政法人日本原子力研究開発機構 重粒子による高いがん治療効果をもたらす 「DNAの傷の塊(かたまり)」を発見 —放射線によって生じるDNAの傷の微視的分布の観測に世界で初めて成功— 独立行政法人日本原子力研究開発機構(理事長 松浦祥次郎、以下、原子力機構)は、重粒子線1)によって生じたDNAの複数の傷が極めて近接して塊のように存在していることを世界で初めて見出しました。重粒子線などの放射線で生じるDNAの傷2)のミクロな分布を明らかにしたことは、重粒子線がん治療の高度化や重粒子線を含む宇宙放射線の人体影響の正確な評価につながると考えられます。 炭素イオンビーム等の重粒子線のがんの治療効果はX線やガンマ線3)に比べ2~3倍高いことがわかっています。この高い治療効果は、重粒子線照射によりがん細胞のDNAに生じる致命的な傷が原因とされ、この傷はDNAの二重らせんの1~2