東京電力福島第1原子力発電所の2号機地下にたまった水の放射性物質(放射能)濃度が通常の1000万倍に達したことは、2号機の損傷の深刻さとともに、原子炉で核分裂反応が続いている可能性を示すものだ。 1立方センチ当たり29億ベクレルの放射性物質を含んだ2号機地下の水は「直接体に触れれば白血球が減る。病気への抵抗力が落ち、無菌室での治療が必要になる」(エネルギー総合工学研究所の内藤正則部長)という危険な水準だ。これほど高濃度の放射性物質を含んだ水がタービン建屋で見つかることは通常はあり得ない。 この放射性物質から出る放射線量も毎時1000ミリシーベルト以上。500ミリシーベルトで血中リンパ球が減少するが、それを大きく上回る。ただ、内藤氏は「汚染された水が外に出なければ空気に混ざって遠くに飛ぶ量はわずかだ。避難区域を拡大する必要はない」としている。 これほどの数値が出たのは、14日に炉心の水位が下