入所者19人の命が奪われた津久井やまゆり園(相模原市緑区)の殺傷事件から26日で半年。偏見に満ちた犯行に、捜査員は無念の思い語る。 「夢から覚めてほしい」-。障害者19人が犠牲となり、職員を含む27人が重軽傷を負った現場の第一印象を、県警の捜査員が振り返る。「人数で狼狽(ろうばい)する話ではないが、災害でもないのに一つの事件で10人以上もいっぺんに。面食らった」 捜査員や消防隊員らが黙々と作業に当たっていた。「怒号が飛び交うという状態ではない。絶望感。本当に何だこれは、と。ありなのかよ、こんなことがって」。目の前に広がる悲惨な状況に、言葉すら出なかった。 戦後最悪とされる事件に「初動で漏れがないよう、とにかく一生懸命だった」と振り返る。同時に犠牲者に対しては「職員から亡くなった人の話を聞くうちに、家族みたいな気持ちになってきて。こんな死に方することないでしょうって。痛かっただろうに」