●『リライト』(法条遥)。すごく面白かった。いろいろ無理があるとか、細部が粗い(というか薄い、全体に作家の「幼さ」――若さ、ではなく――が出てしまっている感じ)とか突っ込みどころは多々あるとしても、それらを補って余りある面白さ。そもそも話の前提に無理があり過ぎるということは確かに言える。でも、そこはとりあえず飲み込んで、「それをありだとすればどうなのか」という思考実験として考えれば、これは相当すごいことをやっていると思う。『バイロケーション』と共通した主題も感じられて、この作家の小説は他のものも読みたいと思った。以下のリンクは『バイロケーション』の感想。 http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20130322 三月三十日の日記で「ノックス・マシン」について、≪タイムスリップの話で、時間線の分岐を否定する(抑制する)としたら、物語の構造は原因と結果がルー