鬼怒川の決壊から一夜明けた11日も、被災した茨城県常総市では、孤立した市民の救出作業が続いた。朝になっても水は引かず、被害の全体像や不明者の行方はつかめぬまま。避難所で過ごす被災者は不安を募らせる。新たに河川が決壊した宮城県大崎市でも、浸水で多くの市民が孤立している。 11日朝、常総市の石下総合運動公園などには、孤立した自宅や施設で夜を過ごした人たちが、救助のヘリコプターで続々と運ばれた。 「助かった」。同市大輪町の会社員石塚里美さん(27)はヘリから降りると、そうつぶやいた。家族や親戚11人と水海道地区の祖父の家で夜を明かした。 10日午後6時ごろ、2階に駆け上がると、みるみるうちに水が上がってきた。2時間ほどで1階部分は完全に浸水した。1階から運び出した500ミリリットルのペットボトルのお茶1本とおにぎり2個を1口ずつ、みんなで分け合った。「海か滝のようだった」。氾濫(はんらん)した水
![助け信じ暗闇で一夜「生きた心地しなかった」鬼怒川決壊:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/97c15e40df6b83bb0a8d7aa8f415ab287f60021e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20150911000837_comm.jpg)