東京近郊には、こんなにも多くの”洞窟”があったのか。 江ノ島、北鎌倉、南房総、世田谷……。読み物でありながら、圧倒的な取材量で度肝を抜く、洞窟のガイドブックとも言える本が誕生した。著者は、作家の中野純氏。彼は子どもの頃から闇夜の世界というものに強く惹かれ、暗闇の中を歩くナイトウォークのガイドとしても活躍する。「いつ何どき洞窟に出合うかわからないから」という理由で常にバッグに懐中電灯を忍ばせているほど、洞窟に惚れ込み、気になる穴を見つけては、飛び込んでいる。 今回、紹介されている洞窟の基準は、東京都心から近いこと、なるべく気軽に行けること、ふらっと行ってもすぐ入れること。その上で、洞窟の魅力に出合ったときの驚きと感動が大きいことを挙げている。 「住みたい快適洞窟」では、東京近郊でカジュアルに瞑想できる鍾乳洞や、波打ち際の岩場に穴が空いた海蝕洞窟。「な、なにかがいる洞窟」では、鳥居の先に狐がわ