創刊45周年を迎えた書評誌「本の雑誌」が、毎年年末に丸ごと文庫本を紹介するガイドブックとして刊行している『おすすめ文庫王国2021』にて、本の雑誌が選ぶ2020年度文庫ベストテンを発表! 1位に選ばれたのは、『パラスター』阿部暁子(集英社文庫)。車いすテニスを舞台に、東京パラリンピックの女子の代表候補として注目を集める宝良と、車いすメーカーに勤める百花の物語を〈Side 百花〉と〈Side 宝良〉と2巻で綴るスポーツ小説。スポーツ小説としてだけではなく、青春小説としても仕事小説としても読め、あまりの心揺さぶられるストーリーに、涙があふれるどころかずっと涙があふれ続ける作品だ。これ一冊読めば、延期になったオリンピック分の感動を得られるはず。 2位は、『谷崎潤一郎 川端康成』三島由起夫(中公文庫)、3位には『海馬の尻尾』荻原浩(光文社文庫)が選ばれた。以下の順位は下記に。 〈本の雑誌が選ぶ20