団塊世代、という言葉を聞くと、その名の通り団結した塊のような世代を想像してしまう。第二次大戦直後から数年間(1947年から50年頃)の第一次ベビーブームに生まれた世代のことを一般には団塊世代と呼ぶのだが*1、大半が高度成長期をサラリーマンとして過ごし、一億総中流とも呼ばれた彼らの世代は、本当に同質的なクラスタなのだろうか。本書は、マスメディアによって作られてしまった「団塊世代」像を解体した試み。 『下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)』で良い意味でも悪い意味でも注目された著者だけに、今回も単純なマーケティング論かと思われてしまう可能性は否めないし、番外編の「団塊世代人間図鑑」はマーケティング的には興味深いものの本書で取り上げられている団塊格差という問題とは焦点がずれてしまうのではないかとの印象も受けたが、実際のところ米国でも年金について格差問題が深刻となってきており*2、日本にお
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