渋谷にて。1948年の英映画で、名作とされていますが未見でした。今回、デジタルリマスターされ劇場で見る機会があり、そのクオリティの高さとドラマティックな展開におどろきました。『ブラック・スワン』の公開時に、作品のインスパイア元としてタイトルが挙がっていましたが、後半の展開などは共通する部分の多い作品だと感じます。ダンスのシーンも美しくみごとでした。とあるバレリーナが重要な役に抜擢され、成功していく過程で経験する幸福と孤独を描く。 主人公が置かれる立場はとてもアンビバレンツで、見る者すべてに選択のむずかしさをつきつける。非情なまでに強権をふるう傲慢なプロデューサーには反発心もあるが、彼の元にいればバレリーナとして最高の環境が与えられることも事実。また夫との愛や安定した生活は貴重であり捨てがたいが、そうしたライフスタイルはバレリーナとしての自分を鈍らせ、最終的に将来の可能性を閉ざしてしまうこと