ヴァルアリスは咄嗟に、たこ焼きを爪楊枝で持ち上げたまま、その腕をインフェリスの腕と十字に交差するように絡めた。 「何をしやが……!?」 思わず退きかけたインフェリスは、瞬時にヴァルアリスの意図を理解した。 「互いに腕を引っ張り合う形か!」 「そういう事だ!」 つまり、ヴァルアリスがたこ焼きを口に近づければ、引っ張られたインフェリスの腕はたこ焼きから遠ざかる。 逆にインフェリスがたこ焼きを口に近づければ、引っ張られたヴァルアリスの腕はたこ焼きから遠ざかる。 二人の力が拮抗している限り、たこ焼きは永遠にどちらの口にも入る事がないのだ! 「ちょっ、落ちる!」 「う、動くな! こちらにも揺れが伝わる!」 ふんわりとした焼き加減が仇となり、爪楊枝を刺したたこ焼きが崩れ落ちそうになる。 二人は呼吸を合わせ、繊細な力のコントロール技術によって均衡を保つ! 謎の動きをしている二人に、店主・開田花子は忙しく
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