行動経済学はなんとなく知ってはいるけど・・・ ダニエル・カーネマン博士がノーベル経済学賞を受賞してから、もう20年近くが経過しました。その間、一般向け書籍なども数多く出版され、行動経済学に関する概念は、少なくとも表面的にはマーケターにも浸透してきたように思います。 特に、人間のほとんどの判断が、いわゆる「システム1」を介していること。つまり判断に至る時間は速いが、必ずしもそれがロジカルに正しいわけではなく、判断結果に一定の偏り(バイアス)が含まれることが多いという事実が、広く知られています(システム2は、考えないと分からない遅い思考システムです)。 しかし、何となく知ってはいても、それを広告コミュニケーションにどう反映させればよいか、悩んでいるマーケターも多いのではないでしょうか。 私はその悩みの原因も、マーケター自身の「システム1的な思考」にあると考えています。今回のコラムでは、まずその