「音楽に政治をもちこむな」──今年の初夏、「FUJI ROCK FESTIVAL’16」にSEALDs奥田愛基氏の出演が発表されたのをきっかけに、このような意見がインターネット上に溢れたのは記憶に新しい。 少しでもポップミュージックの歴史を学べばこんな言説はとんでもない誤りだとわかるのだが、残念なことに「音楽に政治をもちこむな」なる意見に諸手を上げて賛成してしまうリスナーが、いまの日本には一定数いるという現実がある。 しかし、そんな状況下でも骨のある主張を続けているミュージシャンは少なくない。そのひとりが、“ハマケン”こと浜野謙太だ。 浜野は、2010年代の日本においてジェームス・ブラウン直系のファンクを継承し耳の肥えたリスナーから絶大な支持を集めるバンド・在日ファンクのフロントマンであり、SAKEROCK(昨年6月に解散)では星野源のバンドメイトでもあった。また、星野源と同様にミュージシ