生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」。日本では母子関係強化に行われることが多いが、赤ちゃんの容体変化に気付かず、死亡や重度障害となるケースが報告されている。こうしたトラブルを防ぐため、専門医らを中心としたグループが、カンガルーケアを行う際のガイドラインをまとめた。グループは「ガイドラインを参考に安全対策を万全にしてほしい」と呼びかけている。(平沢裕子) ◆赤ちゃんのぬくもり カンガルーケアは、生まれたばかりの裸のままの赤ちゃんを母親の素肌の胸に抱かせ、体温を感じる時間をつくる保育法。1978年、保育器不足の南米コロンビアでお母さんなどの体温で赤ちゃんを温めてもらおうと始まったもので、新生児の死亡率低下などの効果が見られたことから世界中に広まった。 日本では、NICU(新生児集中管理室)で阻害されている母子関係を支援しようと導入されたのが最初。「赤ちゃんの呼吸が安定