最近やっと落ち着いて来たものの、しばらくバター不足が続いていた。 スーパーに立ち寄る度に、空っぽのバター売り場を見て、隣に置いてあるマーガリンに手を伸ばしたことのある人も多いと思いはず。この時、人は無意識のうちに「マーガリンはバターの代替である」という前提を持っている。 しかし、今から考えると信じられないことだが、マーガリンは、19世紀初頭に流通し始めてから、約100年にわたり、バターの代替としては認知されていなかった。 アメリカでは一般的に流通した食品だったものの、当時のマーガリンはただの白い塊でしかなく、誰もバターと連想して考えたりはしなかった。一般的な生活者の認知レベルでは、オレンジジュースがワインの代わりにならないのと同じくらい、マーガリンはバターは異なる種類の食べ物。 マーガリンが、現在のようなバターの代替としての地位を確立するには、20世紀中盤に活躍した、ルイス・チェスキンとい
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