扱う問題が大きな時こそ、従来のやりかたを踏襲した、平凡な提案が選択されることが望ましい。いくつもの問題を一気に解決できるような「画期的な」提案は、それが必要に思えたときこそ、見落としている問題点が本当に無いのかどうか、慎重に検討されるべきなのだと思う。 フラードームのこと 球体は、最小の表面積で最大の空間容積を稼ぎ出す形であって、それを実体化したフラードームは、住宅の理想を突き詰めたありかただったけれど、結局一般化しなかった。 以前どこだかの観光地で入ったお店がフラードームで、作り付けの椅子や机がかっこよくて、吹き抜けになった天井の広さに驚いた。遠い将来、住宅を建てる機会が得られるのなら、もうこの形式以外考えられない、という程度には入れ込んで、実際にドームを建てるつもりになって、いくつかのモデル住宅を見学したこともあるのだけれど、今度は逆に、その使い勝手の難しさに驚かされた。 フラードーム