一昨年、1型糖尿病に苦しむ大阪府在住の主婦の障害基礎年金が突如、打ち切られた。重病人の命綱を断つような仕打ちはなぜ行われたのか。これは他人事(ひとごと)ではなさそうだ。「自己責任」の名の下になされる「弱者切り捨て」の実態に、硬骨のジャーナリストが迫る。 「何でやのん。これから、どうやって生きていったらいいのよ」 大阪府岸和田市の主婦・滝谷香(たきたにかおり)さん(35)はしばし呆然(ぼうぜん)とし、我に返った… この記事は有料記事です。 残り4771文字(全文4977文字)
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられたとされる疑惑で、同省が国会に開示した文書とは別の決裁文書に、「本件の特殊性に鑑み」「学園に価格提示を行う」などの表現があることがわかった。毎日新聞が同省近畿財務局への情報公開請求で入手した。これらの表現は国会に昨年提出された売買に関する開示文書にはなく、文書作成の経緯や疑惑との関連性が議論になりそうだ。 「特殊性」との表現があるのは、財務局が2016年6月、学園に国有地を鑑定価格より約8億円安い1億3400万円で売却する方針を国土交通省大阪航空局に通知した際の決裁文書。「財務局と航空局との協議」と題した項目に、「本件の特殊性に鑑み、売買契約締結後に契約書に基づき国が行う行為については、近畿財務局と大阪航空局が必要に応じて協議を行い、これを実行するものとする」と書かれていた。文書には、国有地の地中…
阪神大震災を受けた緊急会議の後、記者会見する当時自治相の野中広務さん(左端)=大阪市の府知事公館で1995年1月25日、尾籠章裕撮影 阪神大震災時に被災地対策の陣頭指揮、復興にも尽力 26日に亡くなった自民党元幹事長の野中広務さんは1995年の阪神大震災時に自治相として被災地対策の陣頭指揮を執り、その後も復興に尽力した。ゆかりのあった関係者から悼む声が上がる。 元衆院議員(1996~2003年)で兵庫県宝塚市の中川智子市長(70)は、震災から3年後、被災者に最大100万円(当時)を支給する被災者生活再建支援法の成立に向けた議論が大詰めを迎えた時期のことを思い出す。大蔵省(当時)の官僚が「(支援は)私有財産につながり、公費を出すことはできない」と繰り返すのに対し、野中氏はこう説き伏せた。「何を言っているんだ。被災者を救うために大切だからお願いしているんだ。農家が風水害に遭ったら金を…
北朝鮮の地下核実験場=咸鏡北道(ハムギョンプクド)吉州(キルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)=付近に住み、2度の核実験後に脱北した元住民2人に、原爆被爆者にみられるような染色体異常が生じている。韓国の研究者が収集したデータを広島の専門家が確認し判明した。推定される被ばく線量は高い人で累積394ミリシーベルトに達し、核実験による放射線の影響が疑われる。この数値は、広島に投下された原子爆弾の爆心地から約1.6キロの初期放射線量に相当する。豊渓里周辺では近年、核実験の影響が疑われる体調不良を訴える住民が増えており、被害の実態把握を求める声が上がっている。 脱北者の現状調査などを手がける民間研究機関「SAND研究所」=ソウル、崔慶嬉(チェ・ギョンヒ)代表=が2016年7月、8月、昨年9月の3期に分けて、吉州郡出身者21人を対象に健康状態の聞き取り調査を実施。その結果、頭痛や吐き気などの共通の体調不良があ
千葉県市川市の会社役員一家4人殺害事件(1992年)で強盗殺人罪などで死刑が確定した事件当時19歳の関光彦(てるひこ)死刑囚(44)ら2人の刑が執行されたことについて、上川陽子法相は19日、記者会見を開いた。元少年の死刑執行は、4人を射殺した永山則夫元死刑囚(事件当時19歳、執行時48歳)以来で約20年ぶり。上川氏は「慎重な検討を加え、執行を命令した。犯行時に少年であったことについては執行の判断に関わるので回答は差し控える」と述べるにとどまった。【鈴木一生、石山絵歩】 他に執行されたのは、群馬県で94年に起きた親子3人殺害事件で死刑が確定した松井喜代司死刑囚(69)。関係者によると、関死刑囚側も松井死刑囚側も数回目の再審請求中だった。
「世界最大規模の国産量子コンピューター」とのキャッチフレーズで発表された計算装置に対し、共同研究者からも「量子コンピューターではない」との異論が出ている。内閣府と科学技術振興機構(JST)の予算で、NTTや国立情報学研究所(NII)、東京大の産官学が参加した大型プロジェクト。背景には、すぐに目に見える成果を求められる国主導の研究開発事情が見え隠れする。【酒造唯、須田桃子、阿部周一】 疑問の声が上がっているのは計算装置「量子ニューラルネットワーク(QNN)」。「創薬など現代のコンピューターの限界で技術革新が止まっているさまざまな分野で、ブレークスルー(突破口)になると期待される」。11月20日の記者発表で、山本喜久・NII名誉教授はこんなコメントを寄せた。山本氏は開発チームを率いるプログラムマネジャー(PM)。発表について「スーパーコンピューター(スパコン)をはるかに超える国…
市が上告断念 新潟市に新潟水俣病の患者と認められなかった住民など9人が患者認定を求めて起こした訴訟の控訴審で、9人全員を水俣病と認めるよう市に命じる東京高裁判決が出たことについて、新潟市は4日、上告しないと正式表明した。最初の提訴から丸4年で原告全員勝訴の判決が事実上確定、篠田昭市長が近く9人に直接謝罪する。「やっとニセ患者じゃないと証明できた」--。差別などを恐れて家族にすら被害を伏せてきた原告らは、万感の思いを胸に喜びをかみしめた。 篠田市長は4日の記者会見で「こういう(手足のしびれなどの)障害が出たら水俣病だと考えるのが普通だと、個人的に、市長としても思っていた。敗訴してほっとする裁判は他にないかもしれない」と述べた。
星空の美しさをPRしている鳥取県が、サーチライト規制や「星空保全地域」の指定を柱とする「星空保全条例」の制定に乗り出す。星空の保護をうたった条例は都道府県としては初めて。人口最少の県が、市街地の明かりが少ないのを逆手に観光客誘致を目指す。【李英浩】 鳥取県は全国一のズワイガニの水揚げ量を誇る「蟹取県(かにとりけん)」を自称してきたが、冬以外の宣伝効果が低く、平井伸治知事が今年2月に「星空と親しめる鳥取に」と「星取県(ほしとりけん)」を名乗ると宣言した。県によると、県内全19市町村で天の川を見ることができる。市民団体の調査で鳥取市が県庁所在地として唯一、「星の見えやすさ」全国1位(2011年度など)に輝いたこともある。 条例は「光害を抑制し、星空観察の環境を守る」との趣旨。既存の県景観形成条例では取り締まれない上空へのサーチライトを全県で規制対象とするほか、観察に適した山間部などを「星空保全
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