東京電力が16日公開した福島第1原発事故に関する膨大なデータによって、地震と津波で同原発が冷却機能を失う過程と、対応に追われる現場の混乱した状況が明らかになった。事故から2カ月以上たち、ようやく表に出てきたデータ。政府は近く発足させる事故調査特別委員会で、原因究明や初期対応の妥当性などの検証を始める。 ◇非常用復水器、手動で停止 炉心溶融加速か 福島第1原発で最初に大半の燃料が溶融した1号機で、全電源喪失の際に働く唯一の冷却装置である「非常用復水器」を、地震発生後に運転員が手動で停止させていた。 東電は「16時間後に炉心の大部分が崩壊した」とする解析結果を15日に公表したが、これほど速く炉心溶融が進むのは「非常用復水器が停止した」という想定のためだ。非常用復水器が働けば原子炉が冷やされ、それだけ炉心溶融を遅らせることができる。運転員の操作が1号機の炉心溶融を早めた可能性があり、今後事故を検