レース中盤、集団内を好位置で走っていく大迫傑。早稲田大学時代、2011年の箱根駅伝で1区区間賞を獲得。母校の18年ぶりの総合優勝に貢献した。 「スグル・オーサコー」、「オーサコー」 大迫傑(日清食品グループ)が先頭争いに加わるたびに、場内に何度も名前が響きわたっていた。 2月14日、米国ニューヨークで行なわれた室内陸上試合『ミルローズゲーム』5000mで大迫は13分28秒0で3位に食い込んだ。このタイムは室内における日本最高記録だったものの、自己ベスト13分20秒80には及ばず、スピードの出にくい200mトラックだったことを考慮してもやや物足りなさはあった。 しかし、特筆したいのはレース内容の素晴らしさだ。日本の男子選手が世界の大会で先頭争いに加わっているのを見たのは、いつ以来だろうか。ペースの上げ下げに弱い。ラスト力がない。絶対的なスピード不足。こういった課題を日本人選手は長年抱えている