ミュージアムとは西欧近代のみが全世界の一元化を目指す装置であり、その思想である。それがいかに生み出され、拡大発展していったのか。西欧思想の深層を読み解く本格評論。 柄谷行人氏、推薦! 日本などの非西欧圏のミュージアムはそのコレクションを秘匿することでその神聖性を高めていくのに対し、西欧においてはコレクションを開示することが為政者の権威を示す政治的な目標となっていく。つまり西欧のミュージアムとは、コレクションを「公開の原則」から人々の視線にさらし、それに社会的な公認の価値を与えていく装置なのである。 このミュージアムという西欧近代のみが創り出しえた全世界の一元化を目指す思想は、いかにして生まれ、拡大発展しつづけていったのか。王権と教権の関係、ユートピア文学やヌード論など、多岐にわたる問題に触れながら「帝国」の理念を読み解いていく画期的論考。 なお、柄谷行人氏から推薦の言葉が届いている。