鳥取県立博物館(鳥取市)で、セルロイド製品が劣化して強い酸性ガスを出し、周囲の収蔵品を傷めていたことが元興寺文化財研究所(奈良市)の調査でわかった。 近年、人形や映画フィルムなどセルロイド製品が博物館に収められるケースが増えており、同研究所の山田卓司研究員は「収蔵品の素材を見極め、セルロイドは分別して保管を」と注意を呼びかけている。 同博物館は1996年に県民から、木箱に入った江戸~昭和時代のかんざし、くしなど約120点を寄贈された。最近、調べたところ、さびないはずのアルミニウム製かんざしに白い粉が付き、整理のために付けていた紙タグももろくなっていた。このため、同研究所に調査を依頼していた。 その結果、紙タグは水素イオン指数(pH)が1に近い強酸性を示した。「べっ甲」と紙タグに書かれていたかんざしやくしなどの多くがセルロイド製と判明し、これが光や酸素などの影響で元のセルロースと硝酸に分解す