→ URL ワタクシは,これまで何冊か英語からの翻訳書を出版したことがあるが,あくまでもパーソナルな「読書」の延長線上に「翻訳」という作業があった.幸いなことに出版元から書籍流通に乗ったのでパブリックな性格をもった本となったが,基本的にはパーソナルな読書のひとつのアウトプットにすぎない.だから,自分が訳した本がほかの読者にとって何かの役に立ったとしたら,それは望外の喜びと言うべきだろう(この点については著書も訳書もちがいはない).もちろん出版社的にはたくさん売れた方がいいに決まっているし,訳者としてはそのための販促に務めることにけっしてやぶさかではない.翻訳者的には「私的読書の延長」,読者的には「売っててよかった」,批判者的には「もうやめろよ」 - ということで,これからも翻訳書は売られ続けるにちがいない. たとえば進化生物学の著名な教科書はいろいろな言語に翻訳されている.翻訳書を求める読