分類学と系統学:ある蜜月の終焉 三中信宏(農環研・計測情報) 分類(classification)は,主体であるヒトが行う,ある基準に基づいて対象物から成る群を認知する行為である。したがって,分類の基準と手法を論じる分類学(taxonomy)は,生物としてのヒトが「最も自然」とみなす自然界の認知分類方法を論じるのが本務であり,系統や進化と関連づける必然性はどこにもない。むしろ,現代的な意味での分類行為の認知的基礎を明らかにし,その人類学的なルーツを探ることの方がより有益であると私は考える。その上で,ヒトにとっての「自然な認知」の満たすべき諸条件を明らかにできるならば,分類学者が永年にわたって求め続けてきた「自然分類」の客観的基礎が得られるのではないだろうか。分類学は,認知科学や情報理論と積極的に結びつけば,われわれ人間の精神活動の根源に迫ることが可能かもしれない。 実際,分類学は狭い意味で
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