1.趣旨 文化庁では,ネットワーク社会の進展に伴う著作物等の利用促進のために,著作物の公開利用に際して,著作権者があらかじめ一定の利用条件を付した意思表示を行うことにより,利用者が利用の都度,著作権者の了解を得る必要がない意思表示の仕組みとして独自のシステムの構築を平成19年度より検討してきました。一方,この間に,アメリカの民間団体が運営するクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下「CCライセンス」という。)が急速に普及し,民間・公共 を問わずグローバルに利用される状況となっています。このため,文化庁では平成23年度に意思表示の仕組みの在り方について調査研究を実施したところ,政府がシステムを構築し運営することは困難であり,CCライセンスを「代替可能な優れた仕組み」と評価した上で,CCライセンスとの連携協力を視野に入れた新しい在り方を検討することとなりました。本シンポジウムでは,著作物の公