国立天文台と理化学研究所の研究者を中心とした国際研究チームは、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光・磁場望遠鏡により、太陽極域の磁場観測を定期的に行ってきました。このたび、極域磁場の極性が予想より早く反転しつつあることを世界で初めて捉えました。 現在、太陽活動は極小期を過ぎ、やや上昇してきています。太陽の南北両極の極性は、2013年5月に予想される太陽活動極大期にほぼ同時に反転すると予想されていました。ところが、2012年1月の「ひので」による観測で、予想される時期より約1年早く北極磁場がほぼゼロ近くになっていることが発見されました。現在太陽の北極域では、逆極性の磁場が大規模に消滅しつつあり、太陽の北極磁場がまもなく反転すると予想されます。一方、南極は安定しており、極性反転の兆候がほとんどみられていません。これらの研究成果は、これまでの太陽極域磁場の極性反転過程に対する認識に変更を迫る
NASA及び野辺山太陽電波観測所の研究者を中心とした研究チームは、野辺山電波ヘリオグラフによる電波画像とキットピーク国立天文台(米国)などによる太陽磁場画像等を用いて、過去20年間にわたる太陽のグローバルな活動(太陽の黒点の活動だけでなく、極域の活動を含めた太陽全体の活動)を追跡しました。その結果、この20年間で太陽全体の活動が次第に低下してきていることを明らかにしました。また、現在、北半球が太陽活動の極大期に達している一方で、南半球の太陽活動は極大期を迎えていないことをデータは示しています。つまり、太陽の北半球と南半球で、活動の同期が崩れていることになります。 太陽活動の大幅な低下および北半球と南半球で活動の度合いが大きく異なる状況は、人工衛星や地上での太陽専用大型観測装置が揃ってからは初めてのことです。野辺山電波ヘリオグラフ装置の長期にわたる安定した運用によって得られた高品質かつ均質な
研究の概要 太陽を取り巻く惑星間空間は太陽から吹き出す太陽風で満たされており、その構造は太陽風によって決まります。太陽面全体の活動状況は、野辺山太陽電波観測所の電波ヘリオグラフ装置によって長期間観測されています。それによると、20年間に亘って太陽全面の活動が弱まりつつあり、また各部(北半球、南半球、高緯度、低緯度)の間の活動の同期が失われつつあることがわかってきました。一方、太陽風の速度は、名古屋大学太陽地球環境研究所が行っている惑星間空間シンチレーション法によって長期間観測されてきています。この方法では全天の太陽風速度データが得られます。これらふたつの長期間データを比較することにより、太陽の高緯度の活動と惑星間空間の活動が大きく関係していることがわかってきました。 太陽電波観測と電波蝶形図の合成 国立天文台野辺山太陽電波観測所では、1992年より電波ヘリオグラフ装置(写真1)を用いて太陽
2012年6月6日に日本でも観測される金星の太陽面通過は、「ひので」 衛星からも観測することができます。そこで、「ひので」衛星が とらえた金星の太陽面通過の一部を、当日公開致します。 当日公開の内容 公開ページ: 本ページ 公開時刻: 2012年6月6日 午後4時を予定 データ取得状況により、大幅に遅れる可能性がありますことを、御了承ください。 遅れる場合は午後3時までに本ページで新たな時刻をお知らせします。 公開画像: ひので 可視光・磁場望遠鏡でとらえた金星。 第2接触直前から第2接触後まで(第1接触は含みません)。 動画も提供できるよう努力致しますが、当日公開では静止画のみの提供となる場合もありますことを御了承ください。
写真:金環日食時のベイリービーズ 1987年9月23日 沖縄金環日食における第3接触 撮影 渡部勇人(三重県いなべ市) 金環日食限界線研究会チームBの観測について 1.チームBについて 金環日食観測チームBは、ベイリービーズの明滅の瞬間の時刻を正確に観測することを目的とします。 これは、星食の観測手法で月縁をものさしとして、太陽の直径を精密に観測する試みです。 星食には、月が恒星を隠す星食や、小惑星が恒星を隠す「小惑星による恒星食」がよく知られています。 これらの現象において、恒星が消滅する瞬間,出現する瞬間の時刻を正確に計時することで月縁や小惑星の形状を精密に決定できます。 これを日食に応用する観測です。 2.期待される観測精度 ベイリービーズ明滅時刻の観測は、星食観測の原理と同じであり、ビデオによる観測なら小口径の望遠鏡においても 0.01~0.02秒角もの高精度で月縁を決めることが期
各専門家のコメントは、その時点の情報に基づいています。 SMCで扱うトピックには、科学的な論争が継続中の問題も含まれます。 新規データの発表や議論の推移によって、専門家の意見が変化することもありえます。 記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。 Ver.1.0 (120515-17:00) ・これは、2012年5月8日にジャーナリスト向けに発行したサイエンス・アラートです。 ・記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。 <SMC発サイエンス・アラート> 太陽極域磁場の4極化について:専門家コメント この度、国立天文台と理化学研究所が「太陽極域磁場の4極化」の観測に成功しました。太陽活動が地球に及ぼす影響については様々な研究が行われていますが、その成果はまだ良く知られておらず、誤解に基づいた解釈も見受けられます。この現象が地球にどのような影響を及ぼすと考えられるのか、専
[2012年5月21日掲載] 「ひので」がとらえた日食 X線望遠鏡による日食ムービー どちらもMPEG1 8000kbps, 画像サイズ 1024x1024 ファイルサイズが6MB程度あります。アクセスが集中しますとレスポンスが遅くなりますので、ご注意下さい。 ムービー: 白黒画像 ムービー: オレンジ色着色 X線望遠鏡による日食画像 左はカラー(着色)画像、右は白黒画像。 クリックすると拡大画像を表示します。 部分日食開始から2分後 (日本時間 6時35 分) 最大食 (日本時間 6時 41分) 部分日食終了の2分前 (日本時間 6時 48分) ここにあるものがオリジナルサイズです。これ以上の高解像度のものはありません。 X線望遠鏡による全面画像(bmp連番画像ファイル) bmp画像の連番ファイルを zip で圧縮したものです。画像はサイズが1024x1024で約73枚あります。 受信の
2012年4月19日 自然科学研究機構 国立天文台 理化学研究所 宇宙航空研究開発機構 米国航空宇宙局 (NASA) 英国科学技術会議 (STFC) 欧州宇宙機関 (ESA) 国立天文台と理化学研究所の研究者を中心とした国際研究チームは、太陽観測衛星「ひので」に搭載された可視光・磁場望遠鏡により太陽極域の磁場観測を定期的に行ってきましたが、このたび、極域磁場の極性が通常より早く反転しつつあることを世界で初めて捉えました。これは、可視光・磁場望遠鏡が持つ高空間分解能・高精度偏光解析能力と長期間にわたり安定的に行われた「ひので」衛星運用による成果です。 現在、太陽活動は極小期を過ぎ、やや上昇してきています。今回の極小期の太陽磁場は、大局的に見ると、太陽の北極がマイナス極・南極がプラス極となっています。太陽の南北両極の極性は、2013年5月に予想される太陽活動極大期(黒点の平均的数
国立天文台が編纂する「理科年表」のオフィシャルサイトです。 理科年表は大正14年(1925)創刊以来の歴史と伝統を持つ科学データブックであり、自然科学のすべての分野を網羅したユニークなものです。このサイトでは、理科年表のデータを使いこなすためのガイドを提供いたします。ぜひともお役立てください。
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