前回のお話 軟膏調剤が苦手なまゆさん。 あちこち軟膏を付けまくり、ベタベタにしています。 どうやらぶきっちょさんみたいです。 「今まで器用さを必要とする作業はどうしてたの?」 「そんなことは気にされなくて結構。ちゃんとできます。折り紙と、軟膏を詰めるのだけが苦手なだけです。あと、洋服作りとかが苦手です」 「洋服?」 「家庭科の授業の」 「で、ちゃんと作れたの?」 「大丈夫。中学校の時も高校の時も、なぜか代わりに作ってくれる人が周りにいてね。ありがたいことにね」 「まゆちゃんたら…甘やかされて育ったんだね。甘やかすってだめなんだね」 「その人たちのせいでまゆちゃんがこうなっちゃったんだから、あたしたちは厳しくいかないと」 「こうなっちゃったって何?失礼なこと言ってる?」 「あっ」 軟膏の罠「あたし知らないわ」 「ちょっとぉ。軟膏壺飛ばさないでよ。今のわざとでしょ」 「あたしは何も知らないの。