タグ

ブックマーク / jtsutsui.hatenablog.com (5)

  • (非計量さん向けの)統計学の話:誤差編 - 社会学者の研究メモ

    今回は「誤差」編です。 誤差について説明するためには、どうしても「観察(observation)」の次元に話を差し戻す必要があります。前回に引き続いて「年収」を説明するための観察をする場面を考えます。次のように考えてください。 年収の観察値 = 性別 + 年齢 + ... + 学歴 + 様々な観察要因 最後の「様々な観察要因」ですが、いわゆる標抽出(サンプリング)による値への影響はさしあたりここに入ります。とはいえ、観察要因による観察値への影響は標抽出からのみ生じるわけではありません。というより、「センサス(全数調査)/標(部分)調査」という区別はある程度便宜的な区別なのです。 ある値(年収でもなんでも)が観察されるということは、特定の手続で、特定の時間と場所で行われたときの観察値です。観察という手続を「人」単位で考えたとき、対象「者」全員を観察することはセンサスですが、そうして観察

  • (非計量さん向けの)統計学の話:バイアス編 - 社会学者の研究メモ

    (今回はですます調でいく。いや行きます。) まずは、私の後輩や知人たちが書いたです。↓ エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ (ワードマップ) 作者: 前田泰樹,水川喜文,岡田光弘出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2007/08/03メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 1,065回この商品を含むブログ (99件) を見る このなかに、次のような文章があります。 どのような研究に対しても、その主張の妥当性を、そこで採用されている方法と無関係に論じることはできません。だから、「事例の数」やそこから得られる「一般性」を問う前にまず、ある研究が明らかにしようとしていることが、そもそも事例の数によって保証される種類のものなのかどうかということ自体を考えなくてはなりません。 このことは言ってみれば「当然」のことなのですが、研究者の間ではあまり考えぬかれていない重要な論点

    (非計量さん向けの)統計学の話:バイアス編 - 社会学者の研究メモ
  • GlobalIndexからみた各国のグローバル化の進み具合 - 社会学者の研究メモ

    入社式での社長のスピーチから人文系の学術書にいたるまで、頻繁に使われる「グローバル化が深まる中で...」という枕詞ですが(ここ2ヵ月ほどはその地位を「震災」に譲っているようです)、たいていの場合は特にデータに基づかない印象論で語られていると思います。もちろん「グローバル化とはこれだ」という唯一の定義などはないわけですが、定義を明確にさえしていけば徐々に議論が有意義になっていくと思います。 GlobalIndex グローバル化についてはいくつか尺度が提起されているようですが、ここでは比較的信頼できる研究者がつくりあげた"GlobalIndex"を紹介しておきます。GlobalIndex(グローバルインデックス)とは、ドイツの社会学者H-P.BlossfeldらBamberg大学のチームが中心となって提起しているグローバル化の指標です。作り方等についてはウェブサイトを見て欲しいのですが、簡単に

    GlobalIndexからみた各国のグローバル化の進み具合 - 社会学者の研究メモ
  • 統計学的想像力を鍛えるためのクイズ2題 - 社会学者の研究メモ

    教科書, 社会調査前回はサーベイ・サンプリングについて、バイアスと誤差の観点から解説をした。今回はその話を含めて、「社会調査や基礎的計量分析の訓練をすることで身につく知識・スキルとは何か」ということを、例題を通じて解説してみようと思う。(注:以下の問題は、京大大学院(非常勤先)の社会調査論、立命館大学の学部社会調査士実習クラスで、導入としていくつかクイズ形式で出して、受講生のみなさんに考えてもらったものです。みなさんの答えを記事中で紹介していますので、受講生の方はご了承ください。)クイズ1:夫婦関係満足度におけるペットの効用研究課題が、「ペットを飼うことは、夫婦関係の円満につながるか?」であるとする。このとき、どういう調査を踏まえて、どういう分析をしたらいいか?この問題は立命館の方で出題したものである。最初の受講生の答えは、「クロスセクション調査で以下のような質問をして関連性を見る」という

  • 面白い論文の書き方(その一) - 社会学者の研究メモ

    今回も教科書ネタ。 学生の論文には、読んでいて面白いものと、苦痛なもの指導しがいのあるものがあります。後者のような論文を書く学生は、論文についてこう考えていることが多いです。 興味のあることを見つけて、それについて文献を読み、それをまとめて、最後に自分の意見を書く。 こういう指導をされている先生方は意外に多いのではないかと思います(自分も昔はそうでした)。指導がラクだし。しかしこれは論文を書くときの方針にはなりませんし、してはダメです。 論文とは「研究成果」のアウトプットの1つです。少なくとも社会学における研究とは、解かれていない謎や決着のついていない問いを自分で見つけ出し、データ等の証拠を使ってそれに答えることです。(それ以外の論文もありますが、まず基を抑えないとダメです。)上記のダメ方針は、研究と単なる勉強を取り違えているのです。 研究の手順は標準的に教えられているもので十分です。

    面白い論文の書き方(その一) - 社会学者の研究メモ
  • 1