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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (163)

  • ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など

    毒蛇のハブが持つ毒素から精製したタンパク質分解酵素が、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータを分解することを東北大学などの研究グループが発見した。人間の体内酵素がアミロイドベータを分解することは知られていたが、生物の毒素も効果的だと分かったのは初めて。アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながることが期待されるという。 東北大学大学院農学研究科の二井勇人准教授(酵素化学)と小川智久教授(タンパク質化学)は、ハブ毒から金属イオンとタンパク質との相互作用を利用し、蛇毒メタロプロテアーゼというタンパク質分解酵素を分離、精製した。ハブは2018年に九州大学などのグループが全ゲノム解読に成功している。ハブ毒は11種類のメタロプロテアーゼを含む多くの成分によって構成され、「タンパク質のカクテル」といわれる。メタロプロテアーゼの働きによって、ハブに噛まれた人は内出血や血液凝固を起こす

    ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など
  • トコジラミ、ダニ、寄生虫…旅の「危険な虫」5選とその対策

    旅行先でトコジラミに刺されると、旅は台なしになる。ただし、もっと深刻な健康被害をもたらす害虫もいる。(PHOTOGRAPH BY ALLEN BRISSON-SMITH/THE NEW YORK TIMES/REDUX) 最近、トコジラミがフランスで大発生し、話題になっている。吸血性のトコジラミは、危険というよりは不快な昆虫だ。実際に、米国のテキサスA&Mアグリライフ研究所の昆虫学者で、害虫管理を専門とするモリー・ケック氏は、「世界でもっとも危険な生物は蚊です」と述べている。 だが、昆虫やクモ、ミミズのような形の蠕虫(ぜんちゅう)といった気持ちの悪い生きものはどこにでもいるものだ。そんな「虫」たちは、細菌、線虫、原虫、ウイルスといった病原体を運ぶことがあるし、じかに寄生虫として感染する場合もある。 こうした病気は時に診断しにくく厄介だ。デング熱やライム病などの病気は、頭痛や疲労、発熱といっ

    トコジラミ、ダニ、寄生虫…旅の「危険な虫」5選とその対策
  • アフガン地震は“四つ子地震”、「ありえない」と科学者ら唖然

    アフガニスタンのヘラート州ジンダジャン地区のスィア・アーブ村で、地震前に自宅があった辺りを歩く男性。アフガニスタンでは10月に入ってから同じ規模の大地震が4回立て続けに発生しており、村はそのうちの1つの被害を受けた。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO, NATIONAL GEOGRAPHIC) 現地時間10月7日午前11時11分(日時間15時41分)、アフガニスタンのヘラート州でマグニチュード6.3の地震が発生した。ヒンドゥークシュ山脈の西端の断層が破壊され、人口の多いヘラート市が大きな被害を受け、近隣の多くの農村が瓦礫と化した。それからわずか23分後、同じくマグニチュード6.3の2回目の地震が発生した。 4日後の10月11日には、人々が瓦礫の中から遺体を回収している最中に、同じ地域で3回目のマグニチュード6.3の地震が発生し、傷ついた住民をさらに打ちのめした。死

    アフガン地震は“四つ子地震”、「ありえない」と科学者ら唖然
  • コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々

    2023年10月2日、オランダで新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける患者。頭痛や悪寒などの強い副反応は不快だが、ワクチンがより強い免疫反応を引き出して将来の感染に備えているサインなのかもしれない。(PHOTOGRAPH BY KOEN VAN WEEL, ANP/REDUX) 新型コロナウイルスワクチンの副反応におびえる人々に朗報だ。最新の研究によれば、強い副反応はワクチン接種後にウイルスと戦う抗体がより多く作られていることを示していて、良いことかもしれないという。論文は査読前の論文を投稿するサーバー「medRxiv」で2023年10月6日に公開された。 「強い症状を報告する人ほど、抗体レベルが高かったのです」と、この研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床心理学者アリク・プレーザー氏は言う。 米ブラウン大学の腫瘍専門医ジェレミー・ワーナー氏は、新型コロナウイルスワクチ

    コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々
  • つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究

    2006年、イラクのアルファルージャで、軍用の金属探知機を膝に乗せ、テトリスをプレイする米海兵隊の兵士。(PHOTOGRAPH BY TOBY MORRIS, ZUMA PRESS/ALAMY STOCK PHOTO) 1980年代に世界的ベストセラーになったコンピューターゲームの「テトリス」を、メンタルヘルスの改善に役立てる研究が進められている。具体的には、テトリスをプレイして、性的暴行や自動車事故、戦争、自然災害、または困難な出産などを体験した後に起こるフラッシュバック(過去に経験したトラウマ的な記憶が自分の意志とは無関係に侵入すること)の回数を減らせる可能性があるという。 世界24カ国で実施した調査によると、人が死ぬところを見たり、愛する人が突然亡くなったり、命が脅かされたりする事故に遭ったりするなどのトラウマ体験があると報告した人の割合は70%を超えていた。だが、その後に睡眠障害や

    つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究
    obsv
    obsv 2023/10/02
    テトリス療法か
  • 野生のカメが群れで行動する、初の証拠、定説覆す驚きの報告

    ベリーズに生息する野生のメキシコカワガメのオス。近絶滅種に指定されているこのカメは、ベリーズでは珍味として人気が高い。(PHOTOGRAPH BY DONALD MCKNIGHT) ベリーズの濁った川で夜明けにカヌーを漕ぎながら、ドン・マクナイト氏とジャレン・セラノ氏はメキシコカワガメ(Dermatemys mawii)の音に耳を傾けていた。彼らの甲羅には音波発信器が取り付けられており、水中マイクでカメたちの動きを追いかけていたのだ。 データを解析した結果は驚くべきものだった。「まるでクジラの群れを追っているようでした」と、オーストラリア、ラトローブ大学とベリーズ・カメ生態研究所の生態学者であるマクナイト氏は言う。カメたちは一緒に川を泳ぎ回り、場合によっては仲間のカメから約1メートル以上離れないこともあった。論文は2023年9月15日付けで学術誌「Animal Behaviour」に掲載さ

    野生のカメが群れで行動する、初の証拠、定説覆す驚きの報告
  • 古代ローマ時代の剣を4本発見、驚異の保存状態、死海の洞窟で

    鉄製の剣の柄頭(つかがしら)を保護する発泡スチロールの位置を調整する保存修復師。この剣は、紀元2世紀後半にローマ軍の兵士がよく使っていたタイプのもので、環状の柄頭を特徴とする。イスラエルのエン・ゲディ自然保護区の死海の近くの洞窟で最近発見された4の剣のうちの1で、現在はエルサレムにあるイスラエル考古学庁のジェイ&ジーニー・ショッテンシュタイン・イスラエル国立考古学キャンパスの空調管理された保管庫に置かれている。(PHOTOGRAPH BY PAOLO VERZONE) 9月6日、死海の近くの洞窟で古代ローマ時代の剣が4発見されたとイスラエル考古学庁が発表した。剣は木と革でできた鞘(さや)の中で2000年近く保存されていて、その状態は驚異的に良好だという。 剣は、エルサレムの南東に位置するユダヤ砂漠の洞窟の奥深くで、鍾乳石の壁の後ろに隠されていた。隠された時期は紀元2〜3世紀で、当時、

    古代ローマ時代の剣を4本発見、驚異の保存状態、死海の洞窟で
  • 幻覚剤で脳の損傷を治療、発達障害の人の助けにも、盛んな研究

    マジックマッシュルームの一種「ヒルビリー」。(PHOTOGRAPH BY MICHAEL CHRISTOPHER BROWN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 近年、支援が受けられる管理された環境下で使用した場合、幻覚剤は重度のうつ、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを改善することが、臨床試験やさまざまな研究からわかってきた。 現在は多くの科学者たちが、脳への物理的な損傷のほか、脳の神経経路が原因で引き起こされるその他の病気に対しても、幻覚剤が効果を発揮するのかどうかを探っている。こうした研究は、脳卒中や外傷性脳損傷(TBI)、さらにはアルツハイマー病やパーキンソン病を含む脳疾患の治療にも影響を及ぼす可能性がある。(参考記事:「「良い幻覚剤」でうつ病や依存症を治す、盛んになる研究と治験」) 幻覚剤とは、意識を変容させる物質のことを指し、たとえばリゼルグ酸ジエチ

    幻覚剤で脳の損傷を治療、発達障害の人の助けにも、盛んな研究
  • 他人の不幸を喜ぶ人が増えている、その要因と負の感情の制御法

    他人の不幸を喜ぶ感情をシャーデンフロイデと呼ぶ。そう感じる人は最近増えているようだが、そうなった要因は3つあると、専門家は言う。(PHOTOGRAPH BY KIRN VINTAGE STOCK, CORBIS VIA GETTY IMAGES) 貧乏画家だったポール・ワイナーさんは、米ニューヨーク州マンハッタンの画商から自分の絵を見たという連絡を受け取ったとき、ようやく仕事運が向いてきたと思った。「最初は、私の作品に興味があると思っていたんです」。当時ブルックリンの知人の家に居候していたワイナーさんは振り返る。「でもすぐに、彼女の当の意図がわかりました」 やり取りをしているうちに、画商の関心は作品よりも、ワイナーさんがいかにお金がなくて絵の具が買えないか、歯医者にも行けないかという苦労話の方に移っていった。「私の不幸な話を聞いて楽しんでいるようでした。そして、いつも新しい苦労話を聞きた

    他人の不幸を喜ぶ人が増えている、その要因と負の感情の制御法
  • NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?

    ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した新しい画像。背景に、赤く光るクエスチョンマークが見える。(PHOTOGRAPH BY NASA, ESA, CSA) 銀河系で特に注目される2つの星を撮影したところ、画像に謎のクエスチョンマークが写り込んでいた。 このクエスチョンマークは、驚異的な感度を誇る米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラNIRCamで「ハービッグ・ハロー天体46/47」(HH 46/47)を初めて撮影した最新の画像で発見された。HH 46/47は有名な形成中の星で、頻繁に観測されている。 この2つの星は、私たちの太陽がどのように形成されたかを知る手掛かりとなりうる。地球からの距離は約1400光年と比較的近く、生まれてからわずか数千年の比較的若い星だ。ただし厳密に言えば、HH 46/47はまだ星として「誕生」していない。

    NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?
  • 「原爆の父」オッペンハイマーは本当に後悔していた?

    才気あふれる理論物理学者だったJ・ロバート・オッペンハイマーは、米ニューメキシコ州に創設されたロスアラモス研究所の所長に任命され、米国の核開発を率いた。(PHOTOGRAPH BY CORBIS HISTORICAL, GETTY IMAGES) 科学の新発見は好奇心を刺激し、未知の現象を解明し、時には世界をより良い場所にしてくれることもある。しかし、その発見をもたらした科学者が、後にその功績を悔いることになったとしたらどうだろう。 この疑問が、米国で7月21日に公開されたクリストファー・ノーラン監督作の映画『オッペンハイマー(原題)』の中心的なテーマになっている。この映画は、「原爆の父」として知られる米国人科学者のJ・ロバート・オッペンハイマーと、彼が率いたロスアラモス研究所での原子爆弾開発計画を描いたものだ。オッペンハイマーは、自らの功績が核の時代をもたらしたことに対する良心の呵責に、

    「原爆の父」オッペンハイマーは本当に後悔していた?
  • 太平洋ゴミベルトを調べてみたら生命の宝庫だった、驚きの報告

    美しい見た目のアオミノウミウシ(Glaucus atlanticus)は、空気をのみ込んで海面に浮く。(PHOTOGRAPH BY DENIS RIEK) 世界で最も多くの海洋ごみが漂う太平洋ゴミベルトが、多くの海洋生物のすみかになっていることが明らかになった。そこにはアオミノウミウシやカツオノカンムリなど、海面近くを浮遊する水表生物が大量に生息していたのだ。これまで海のごみ溜めだと思われてきた太平洋ゴミベルトは、実は知られざる生物学的ホットスポットかもしれない。 「海洋ゴミベルトは、当に重要な海の生態系になっているのです。ところが私たちは、これについてほとんど何も知りません」と話すのは、5月4日付けで学術誌「PLOS Biology」に発表された論文の筆頭著者で、米ジョージタウン大学の海洋生物学者レベッカ・ヘルム氏だ。「これまでプラスチックごみにばかり焦点が当てられてきて、生態系は完全

    太平洋ゴミベルトを調べてみたら生命の宝庫だった、驚きの報告
  • 閉経した母親が守るのは息子だけ、シャチで判明、娘や孫は守らず

    北部ノルウェーの冷たい海でニシンの大群を襲うシャチの群れ。子どももいる。シャチは閉経後も長く生き続けるわずか6種類の動物の1種だが、その有益さを科学者たちは解明し始めている。(PHOTOGPAPH BY TONY WU, NPL/MINDEN PICTURES) 墨を吐いたり、体の色を変化させたりする動物の能力は、人間から見れば不思議に思えるかもしれない。しかし動物界全体から見れば、「閉経」こそもっとも不可思議な現象であることはご存じだろうか。 「自然界において閉経は非常にまれな特性です」と指摘するのは、英国エクセター大学の動物行動学者チャーリー・グライムス氏だ。閉経し、生殖能力を失ったあとも長く生き続ける動物はたったの6種類。ヒトと5種のハクジラだけだ。 ハクジラ類のシャチもそうした動物の仲間だ。そこで、なぜシャチのメスが閉経を迎えたあとも20年以上生き続けるのか、大規模な調査が行われて

    閉経した母親が守るのは息子だけ、シャチで判明、娘や孫は守らず
  • 「砂糖は子どもを多動にする」は迷信、“シュガーハイ”の真実

    綿菓子などのお菓子をべ過ぎればさまざまな健康上の問題が生じるかもしれないが、多動はそのひとつではない。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) かき氷、ソーダ水、アイスクリーム、アイスキャンディー。これからやってくる暑い夏にぴったりの、子どもたちが大好きなおやつだ。だからこそべ過ぎてしまう心配もある。(参考記事:「氷菓からアイスクリームへ、4000年のあくなき探求の物語」) 砂糖を取り過ぎると子どもたちは多動になる、つまり落ち着きを失い、衝動的に行動したり集中力が続かなくなったりすると信じている親は少なくない。だが、当にそんな事実はあるのだろうか。 いわゆる「シュガーハイ(シュガーラッシュ)」という考え方は1970年代に広まった。きっかけはベストセラーとなった『Why Your Child Is Hyperacti

    「砂糖は子どもを多動にする」は迷信、“シュガーハイ”の真実
  • 途方もない重力波を検出、波長は数光年から数十光年、初の証拠

    2つのブラックホールがお互いの周りを回りながら近づく様子を描いた図。このときに重力波を発する。(ILLUSTRATION BY MARK GARLICK, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 時間と空間が織りなす巨大な重力波が検出されたことを示す証拠が得られた。その波長は、なんと数光年から数十光年だという。新たに発表された研究によると、このような波長の重力波の存在を示す証拠が見つかったのは初めてで、最大で太陽の100億倍という質量をもつ超巨大ブラックホールどうしの合体によるものではないかと考えられている。今回の発見の詳細は、2023年6月29日付けで学術誌「Astrophysical Journal Letters」に掲載された一連の論文にまとめられている。 この波を観測したのは、「北米ナノヘルツ重力波観測所」(NANOGrav)の研究者グループだ。68個のパルサーと呼ばれる回転

    途方もない重力波を検出、波長は数光年から数十光年、初の証拠
  • マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は

    紀元前490年、ペルシャに勝利したという吉報を携えてアテネに古代ギリシャの急使フィリッピデスが到着した出来事が、現代のマラソンの起源になったと伝えられている。この伝説の問題点は何か? そんな事実は存在しないことだ。(IMAGE BY SALINAS, ALBERTO VIA LOOK AND LEARN / BRIDGEMAN IMAGES) 42.195kmを走るマラソンの起源について誰かに質問したとしよう。するとおそらく、古代ギリシャの急使フィリッピデスが、ペルシャとの決戦でギリシャが勝利したことを知らせるため、マラトンの町からアテネまで約40kmを走り、その場で絶命したというエピソードを聞くことになるだろう。ギリシャは古代オリンピックに「マラソン」の競技を追加することで、フィリッピデスの働きをたたえたと伝えられている。(参考記事:「オリンピックの驚きの歴史、古代ギリシャから東京まで」

    マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は
    obsv
    obsv 2023/06/27
    “1000年以上が経過した19世紀、英国の詩人ロバート・ブラウニングが、急使がアテネまで走り、「喜べ、我々は勝利した!」と宣言して死んだという詩を書き、人気を博したことに由来するようだ。”
  • 土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素

    土星の衛星の中で6番目に大きいエンケラドスのイラスト。表面から水蒸気や氷が噴出している。(ILLUSTRATION BY TOBIAS ROETSCH, FUTURE PUBLISHING/GETTY IMAGES) 生命に必須の元素の中で最も希少なリンが、地球以外の天体の海から初めて見つかった。土星の衛星エンケラドスの表面は氷に覆われているが、この氷の割れ目から噴出した氷の粒を土星探査機カッシーニで分析したところ、ついにリンを検出したのだ。論文は2023年6月14日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 リンは地球の土壌を肥沃にする重要な元素だが、研究チームは、エンケラドスの内部海(氷でできた地殻の下にある液体の海)には、地球の海の100倍以上の濃度でリンが存在しているかもしれないと考えている。今回の発見は、木星の4番目に大きい衛星エウロパや土星の最大の衛星タイタンなど、ほかの氷の天体

    土星の衛星エンケラドスからリンをついに検出、生命に必須の元素
  • ネコの新たな不妊法を開発、注射1本で済み手術は不要

    米国シンシナティ動植物園の絶滅危惧動物保護研究センターで、新しい不妊法の研究に参加しているメスのネコたち。(PHOTOGRAPH BY MADELEINE HORDINSKI) 米国では、年間40億羽の鳥と220億匹の小型哺乳類が、イエネコに殺されている。この数は、毒物の誤飲や生息地の破壊など、人間の活動の影響で命を落とす数をはるかに凌駕し、野生動物の健康と多様性への脅威となっている。そんなイエネコによる被害を少しでも減らすためにできる対策の一つが、ネコの繁殖力を抑えることだ。(参考記事:「ネコに殺された232匹の動物たち、一枚の写真に」) 米ハーバード大学の生殖生物学者デビッド・ペピン氏と、シンシナティ動物園の動物研究ディレクターであるウィリアム・スワンソン氏率いるチームは、飼いネコや野良ネコの数を管理するために、安全で新しい遺伝子技術による不妊処置法を開発し、6月6日付けの学術誌「na

    ネコの新たな不妊法を開発、注射1本で済み手術は不要
  • 光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す

    植物のタンパク質にレーザーで刺激を与え、その結果起こるプロセスをX線で捉えることによって、科学者らは光合成反応に未知の段階が存在することを発見した。画像はX線で透視したハグマノキの葉。(IMAGE BY NICK VEASEY, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 光合成は地球の生命にとって不可欠だ。生態系の基礎をになう植物は、これによって自らの栄養を得ている。しかし、光合成がどのような仕組みで行われているのかについては、まだ正確にはわかっていない。 今回、ふたつの新たな実験によって、光合成の中でも特に難しい反応のひとつである水の分解における謎の一端が明らかになった。 水の分子が分解されると、酸素が空気中に放出される。「われわれ全員が依存している、あらゆる高等生物にとって不可欠な酸素は、まさに光合成の副産物なのです」と語るのは、米ローレンス・バークレー国立研究所の化学者で、ひとつ

    光合成による水の分解、「最大の疑問」をついに解明、定説覆す
  • 薬の名前はなぜヘン? 実は工夫の結晶、知られざる由来とルール

    米国では3万種類の医薬品が販売されており、米品医薬品局(FDA)は毎年50種類の商品名を新たに承認している。(PHOTOGRAPH BY H.ANGELICA CORNELIUSSEN, 500PX/GETTY IMAGES) バイアグラ、ルネスタ、アドエア、パキロビッドなどの処方箋を受け取ったとき、薬の名前はなぜこんなに謎めいているのかと不思議に思った経験がある人もいるかもしれない。新薬の名前は、製薬会社の重役たちが会議室に集まって、適当に無意味な音を口に出したり紙に書いたりして決めているのだろうか。実のところ、それほど単純な話ではない。 医薬品の商品名には、混同による投薬ミスを最小限に抑えるための安全策が施されていることを知ってほしいと語るのは、米ネーミング開発会社ブランド・インスティチュートのスコット・ピアグロッシ氏だ。「医薬品の名前は、膨大な反復作業をもとに、深く考え抜かれた末に

    薬の名前はなぜヘン? 実は工夫の結晶、知られざる由来とルール