正社員と派遣社員の格差是正に関する議論の中で、同一労働、同一賃金という基本原則を受け入れるのが労働側も含めてコンセンサスになりつつある。その中で既に崩壊しつつある年功序列賃金の解体も本格的に進むであろう。特に年齢や経験による労働付加価値の少ない専門職と非熟練ブルーカラーの間で賃金のフラット化更に進行するはずである。 被雇用者は同じ企業の同じ職種に長くいても昇給は期待できず、スキルアップをするかよりよい条件のいい企業に転職しない限り賃金が上がらないことになる。 そもそも日本の労働慣習は極めて社会的であった。労働の価値よりその年齢で必要なコストを企業が支払うことが労働者のニーズに合致していて、年功序列賃金が是認されてきた。 多くの人が若い時期は独身で生活コストも低いので、労働付加価値に対して低い給料であっても不平を言わず、学齢期の子どもを抱えた中年社員が実際には働きが悪くても、あの人は大変だか