未来が見えなくなったとき、僕たちは何を語ればいいのだろう― 震災後日本の「コミュニティ再生」への挑戦 ボブ・スティルガー(著) 豊島瑞穂(翻訳) 野村恭彦(監訳) 英治出版 本体2,000円+税 「私たちは未来が見えない時代を生きている」。それは、成功した古い構造はなくなりつつあり、しかし新しい構造も生まれていない、日本産業の現状を表しているのではないだろうか。 この言葉を発したのは、社会変革ファシリテーターのボブ・スティルガー氏。北米や南アフリカ、ジンバブエなど世界を舞台に、地域や組織にイノベーションをもたらす対話づくりを行っている。 「誰もが社会に対して不安を感じ、疑問を持つ時代になりました。現状の学校や教育、医療のシステム、インフラはこのまま維持できるとは限らない。今こそ未来を創造し、そこから社会変革を起こす時です」 2011年の東日本大震災の発災後は、たびたび来日し、復興のための対