親父が東京に来た。年一回の出張だと。 親父と兄貴と僕で飯を食う。上野の赤から鍋。お気に召したようで良かった。 「変わった味だな!これは創作料理ってやつか?」 多分違うが「そう!」と教えてあげた。 親父は昔こわかった。頑固親父では無いが、父親の威厳ってもんがあった。 しかし、息子三人が独り立ちし島を離れ、肩の荷が下りたからだろうか、すっかり顔に締まりが無くなった。良い言い方をすれば丸くなった。体系も昔はかなりマッチョだったのに、今は一回り小さくなった。 老いてる。老いてるぞ親父。 息子の顔を見て満足したのだろう。ヘラヘラ、フラフラしながら帰って行った。威厳が無いなぁ。 駅からホテルまで1人で帰れるか心配だ。 今年の初めには母ちゃんも来た。農業関係の講演会に出席するためだった。 新橋のホテルに泊まったのだが、コンクリートジャングルと人の多さにずっと驚いていた。 田舎臭い格好の婆さんが新橋をキョ