→紀伊國屋書店で購入 「戦後日本の「ねじれ」を解く鍵がここにある!」「欧州の「戦後」、すなわち第一次大戦後ドイツで展開された戦没者崇拝をめぐる左右勢力の攻防。靖国問題を読み解くためにも欠かせない一冊」。本書の帯に、こう書かれているが、その意味がわかり本書を手に取って理解しようとする日本人は、残念ながらそれほど多くないだろう。 訳者、宮武実知子は、「訳者解題」で、つぎのように本書を読む時間と空間の背景によって、そのとらえ方が異なってくることを述べている。「原書の初版は一九九〇年である。ドイツ語訳は一九九三年、東西ドイツが統合されて間もない時期に刊行され、ドイツ語訳者は、冷戦終結後の気分を反映させた自分の文章を随所に挿入していた。だが同じ頃に日本語訳が出ていても、今[二〇〇二年]ほどの感慨をもって読めなかったかもしれない。「戦後」五〇周年頃から盛んになった歴史教科書論争は、二〇〇一年夏に決行さ