昔から、努力家は称賛される。 家にお金がなくてアルバイトをしながら学校に通ったとか、1日16時間の猛勉強で司法試験に受かったとか、俳優が役作りのために体重を20kg落としたとか――バリエーションは色々あるが、この手の「努力」エピソードに我々は心を打たれる。 彼らは立派だ。それは間違いない。ほとんどの人は、自分も彼らを見習いたいと思うだろう。 しかし、実際に彼らと同じことができる人はあまりいない。そもそも、そんなにすぐに真似ができてしまうぐらいのものだったら、彼らがここまで賞賛されるようなことはない。多くの人は、努力を続けることができずに遅かれ早かれ挫折してしまう。 そういう意味では、「努力」というのも一種の才能のようなものだと考えられる。1日16時間の勉強が毎日できるという人は、最初からそういう才能を持って生まれてきたということだ。 そしてそう考えると、「他人にどこまで努力を求めてよいか?