長い記事が連発すると、読むほうが疲れてしまうと思うので、なるべく短くいこうという心算ではおりますが、なかなか上手く運びませんね。でも今日は短めにいくぞ。 この短編集は、大きく前半と後半に分けることができて、前半が宗教的な話題、後半がそれ以外の話題を扱っています。どちらも幻想譚。個人的には後半が好みです。ただ、前半の「魔術師シモン」は壮麗かつ絢爛たる魔術の描写が見事で、唸りました。この話はキシュも題材にしていたはずですが、アポリネールの方が迫力があります。 後半の時を告げる「オトゥミカ」は一転して牧歌的な内容で、若者が娘を奪略する、伝統的だという慣習を下敷きにした物語。「オノレ・シュブラックの失踪」や「詩人のナプキン」は既に他の短編集で読んだものでしたが、これらはやはりおもしろい。とりわけ後者は頽廃美とユーモアとが混然一体となったえもいわれぬ味わいの作品で、玲瓏とした声を発する醜女、といった
![アポリネール『異端教祖株式会社』 - Light in June](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)