親と離れた子が暮らす児童養護施設が家庭的な場となるよう、国は集団生活型から小規模型への改修を計画している。養育上の困難を抱えた子が増えている。職員を増やさないと掛け声倒れになる。 小規模施設の先行例がある。埼玉県加須市の「光の子どもの家」。敷地にいくつもの「家」が建てられ、四十五人の子どもが「家族」と見なされたグループに分かれて暮らす。同じ職員が親のように養育を受け持ち、眠る時には本を読み聞かせる。食事も家庭ごとに。日々の営みは実の親との関係が壊れた子にとって、再び人間関係を築くための大切な時間だ。職員は子どもにとって「自分のためにいる愛着を受け止めてくれる人」となるからだ。 こうしたきめ細かな事業を行うには人手が必要だ。だが、国の職員配置基準は三十年前から変わらない。「職員一人に対し、子ども六人」。諸外国に比べて低い水準だ。このため、子どもの家では「職員一人でほぼ四人」となるよう、バザー