3 費用便益分析(Cost Benefit Analysis)の手法 費用便益分析の手法としては、内部収益率法、費用便益比率法、純現在価値法などが主として用いられる。それぞれの定義は、次のとおりである。 (1) 内部収益率(Internal Rate of Return=IRR)法 プロジェクトの内部収益率ρが社会的割引率iより大きければ、資金は当該プロジェクトに回されることになる。逆に、小さければ投資は行われない。すなわち「ρ≧i」が投資判断の指標となる。このように、内部収益率と社会的割引率の関係から投資判断を行うのが、内部収益率法である。内部収益率ρは以下の式を満たす。ここで、Btはt期の便益、Ctはt期の費用、nは工事開始から設備使用終了までのプロジェクトの期間である。なお、使用終了時の設備等に残存価値がある場合は、終期の便益として計上する。 実務では、iの値をどのように設定するかが