いま経営学で注目される分野に「センスメイキング」があります。組織心理学者のカール・ワイクを中心に発展してきたこの理論は、日本語に訳すと「意味付け・納得」となります。 組織のメンバーやステークホルダーを納得させ、いま何が起きていて、自分たちが何者で、どこに向かっているかの「意味付け」を集約させることです。センスメイキングは、イノベーションを起こす上で欠かせない条件であり、変化が激しく不確実性の高い現代のリーダーシップに、とくに重要です。 センスメイキングを研究する経営学者によると、これが必要なのは、企業が3つの不透明な状況に直面するケースです。それは、市場の低迷や天変地異などの「危機的な状況」、自社の強みや進むべき方向を見失う「アイデンティティの喪失」、そして行ったことのない施策をとる「意図的な変化」です。イノベーションは、3つ目の「意図的な変化」にあたります。 たとえば、人工知能です。いま