直木賞候補にもなったミステリー作家で京都市伏見区在住の多島斗志之(たじま・としゆき)(本名・鈴田恵)さん(61)が手紙を家族や出版社に残し、行方不明になっていることが25日わかった。出版社によると、家族が京都府警に捜索願を出したという。 多島さんは右目を失明しており、「左目も見えにくくなった。もう筆を折ります。社会生活を終了します」といった内容の簡易書留が21日、東京の出版社に届いた。 多島さんは1948年大阪生まれ。「密約幻書」「不思議島」で直木賞候補になった。謀略小説から海洋冒険小説、多重人格を扱った「症例A」など作風は幅広く、綿密な構成と鮮やかなどんでん返しで知られる。「クリスマス黙示録」は映画化された。