グローバル時代におけるラグジュアリーブランドのゆくえ 土屋 淳二/早稲田大学文学学術院教授(社会学) 早稲田大学大学イタリア研究所所長 ラグジュアリーの危機 「ブランド神話」の崩壊が語られるようになって久しい。高級ブランド市場そのものは縮小するどころか、ブランド消費が過熱化する新興国富裕層市場への販路開拓もあり、むしろ拡大し続けているにもかかわらず、である。景気の悪さを指摘するむきもあるが、問題はそれだけにとどまらない。 80年代以降に親族経営が主流であった中小の高級ブランドメゾンが急速に株式会社化され、投資対象となったメゾンへの経営参加をつうじてグローバル資本が市場に積極的に関与するようになった。ブランド企業間の買収・提携を基軸とした金融投資型の業界再編の波は、その後の景気停滞期において経営効率化の徹底を後押しし、グローバル競争において“勝ち組”(買収するブランド)と“負け組”(買収され
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