見えない「助けて」をどう見つけるか 伊藤:ここまで、申請主義が抱える矛盾と、具体的にそれによって「助けて」の声をあげられずに社会的に孤立している「声なき声」があることをお話しました。 (参考:「申請主義をどう乗り越えるか(前編) ―本当に辛い時こそ「助けて」と言えない―」) ここから、申請主義の課題を乗り越えるために具体的に何ができるのか考えたいと思います。横山さん、どういった解決策があると考えていますか。 横山:いくつかあると考えています。一つは今までも話してきたスティグマの軽減で、社会的な偏見をなくす啓発やキャンペーンを行ったりです。もう一つはアウトリーチです。 伊藤:困っている人たちが来るのを待つのではなく、相談機関が積極的に支援や情報を届けていく、ということですね。 横山:はい。ただ現在行っているアウトリーチの多くは、申請主義を乗り越え、すでに制度を利用している人に行っていると言え