地価上昇は人口減少のなかで起こっており、全国で力強い需要が続くことは考えにくい。新たに発展する地域の裏には衰退する地域がある。持続可能な都市はつくれるのか。 先日、地方圏の地価が31年ぶりに上昇したというニュースが流れた。地方でも利便性の高い地域や新たな工場の立地が決まっている地域などで地価の上昇が見られたという。 しかし、この地価上昇は人口減少のなかで起こっており、全国の幅広い地域で力強い需要が続くことは考えにくい。新たに発展する地域の裏には衰退する地域があるはずなのである。今回はこの問題について、日経新聞社編『限界都市 あなたの街が蝕まれる』(日経BPマーケティング)を通して考えてみたい。 本書は2019年の2月に刊行されている。その頃からコロナ禍を挟んで続いているのが、都市部でのタワーマンション(タワマン)建設だ。こうしたタワマンの増加の裏には 「職場の近くに住みたい」 という需要が