前回の本コラムで、NECの改革では新しいことに挑戦できない人事制度が「抵抗勢力」なっていると書いた。筆者が大企業のサラリーマンを取材しても、やる気をなくすような成果主義や効率性を阻む「コンプライアンス対応」に憤りを感じている人も多かった。定量的には図りづらい問題ではあるが、日本企業の競争力が失われている要因のひとつは、社員のモチベーション低下にあるのではないだろうか。 こうしたことに問題意識をもって会社のかじ取りをしている経営者もいる。その一人が飲食店情報などをインターネットで提供する、ぐるなびの創業者である同社の滝久雄会長だ。ぐるなびは、滝氏が1996年にサービスを開始し、2000年に分社独立、05年に上場を果たした。 上場直後の2006年3月期連結決算の売上高が約86億円、営業利益が約14億円だったのが、2010年3月期は、売上高が約242億円、営業利益が約45億にまで伸びた。少子高齢