第146回芥川賞をめでたく(当欄の予想を覆して)受賞した円城塔『道化師の蝶』が、同じ〈群像〉初出の中編「松ノ枝の記」を加えて単行本化。予定を1カ月近く早めて、1月26日に発売された。 選考委員の黒井千次氏が「2回読んだが2回とも途中で寝た」と告白したり、ニコ生ブンガク解説委員のペリー荻野氏が「4回読もうとしたけど読めなかった」と述懐したり、なんだか難解で前衛的(!)でSFチック(!!)で筋がない小説だと思われている節があるんですが、全然そんなことはありません。 しかし、睡眠薬としての効果はともかくとして、狐につままれたような気分を味わう読者がけっこういるのは事実らしい。そこで、どうしても多少の道案内がないと不安でしょうがないという読者のために、当欄で勝手にガイドする。ごくあたりまえのことしか言わないうえに、もしまちがってても責任はとりませんのでそのつもりで。 さて「道化師の蝶」がどういう話
1月23日、サマーズ元米財務長官は、経済の不透明感払拭へ議論を深めるべきだと指摘した。ダボスで2010年1月撮影(2012年 ロイター/Arnd Wiegmann) [ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 23日 ロイター] 今年の市場は順調に始まった。2012年に入り株式市場は概して上昇し、欧州各国は想定していたほど借り入れに苦労していない。経済指標は特に米国で予想を上回っている。オバマ大統領は一般教書演説に臨み、ダボスでは今週世界経済フォーラム年次総会が開かれて多くの政策担当者や企業幹部が集まるが、ここ数年世界を覆っていた高度の警戒感は、安堵感とまではいかなくとも、少なくとも一部軽減している。しかし将来への不安は、引き続き景気動向への主要な原動力だ。 金融市場から伝わるニュースは重要な点で矛盾がある。先進国全般に金利は低水準だ。これは特にインフレ期待が低いからだが、インフレ連動債市場で
1月27日(ブルームバーグ):多くの人がとっくの昔に決着したと考えていた問題をめぐって、熱い論争が突如巻き起こった。日本経済が世界にとって取るに足らない存在になるかどうかという問題だ。 発表されたばかりの統計では、昨年の日本の貿易収支が31年ぶりの赤字に転落した。少なくともこの事例が意味することは、膨れ上がる債務の穴埋めに利用してきた巨額の家計貯蓄を今度は貿易赤字対策に使わなければならなくなるかもしれないということであり、これは不吉な兆候だ。 日本が無用の存在になるようことはないと、アイルランドのジャーナリスト、エーモン・フィングルトン氏は言う。同氏は最近、米紙ニューヨーク・タイムズに「The Myth of Japan’s Failur(日本の失敗という神話)」と題した論説を寄稿した。失敗どころか日本は世界が模倣すべきモデルだという同氏の説があまりに大きな反響を呼んだため、ノーベル経
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