古いSFファンなら、あれだけ科学的に正確であろうとした、映画『2001年宇宙の旅』について、あそこはちょっとおかしいよねとか、友人たちと色々話題にして楽しんだことがあると思う。 それは世界的にもそうだったようで、中でもいちばん話題になったのが、ボーマン船長は本当に真空の宇宙を生きのびられるのかって問題だ。実際、NASAのホームページにも、人間がどれくらい真空に耐えられるのかについて答えるページがあって、そこにはこの疑問が、映画『2001年宇宙の旅』によって喚起されたものだと書いてある。 プール副長を救出するため、スペースポッドで船外に出たボーマンは、HALに締め出しを食らってしまう。そこで彼は、ポッドのハッチを爆破し、一気にエアロックに飛び込むことでディスカバリー号内に戻る。 問題はこの時、彼は宇宙服のヘルメットを持っておらず、短時間ではあるけれど真空にさらされたことだ。 NASA