難病で知的障害のある長女(当時29歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた母親(58)(大阪府吹田市)の裁判員裁判判決で、大阪地裁は3日、無罪(求刑・懲役4年)を言い渡した。 田口直樹裁判長は「介護の負担から重いうつ病となり、犯行当時は心神喪失状態で刑事責任能力はなかった」と述べた。 母親は昨年10月、自宅の浴槽に長女を沈めて殺害した後、池で入水自殺を図ったところを発見され、逮捕、起訴された。公判段階の精神鑑定で「うつ病で意識の範囲が狭まる状態だった可能性がある」と診断され、裁判では責任能力の有無、程度が争点となっていた。