京都や大阪のジェンダー論の研究者らが、ツイッターなどで「日本の国益を損なう反日研究」などと誹謗(ひぼう)中傷され名誉を傷つけられたとして、自民党の杉田水脈(みお)衆院議員に損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁は5月、杉田議員の投稿や発言は名誉毀損(きそん)には当たらないと判断した。裁判で争われた背景には、ジェンダーに対する一部の政治家の姿勢や、ネット空間の言論のあり方といった社会的な問題がある。裁判を通じて何が見えたのか、法政大前総長の田中優子さんに聞いた。 【写真】「杉田議員の発言は無理解と偏見に基づく重大な名誉毀損だ」と提訴の思いを語る原告4人=京都市中京区 -杉田議員は「慰安婦問題は女性の人権問題ではありません」と投稿しましたが、この発言をどう思われますか 「とても大きな問題。強制連行がなかったから、本人の意思によると言いたいのだろう。とすれば、あらゆる売春は自らするものであり、女性の人