ジェローム・ケルビエル。何はともあれ、この名前は覚えておく価値がありそうだ。一人のトレーダーが会社にもたらした損失の世界記録を更新した人物の名前だ。 これまで、大損トレーダーの代名詞は、ベアリングス銀行を一発で吹き飛ばす大損(1千数百億円規模だったが)を出したニック・リーソンだったが、ジェローム・ケルビエルはこれに代わる固有名詞になるかも知れない。尚、日本では、銅の不正取引で巨額損害を出した住友商事の浜中泰男氏、大和銀行ニューヨーク支店の井口俊英氏などが有名だが、彼の損失額は、合計してもケルビエル氏の損に遙かに及ばない。 大損失の反対側には 大儲けしたプレイヤーがいる 報道によると、フランスの銀行大手ソシエテ・ジェネラルが、1人のトレーダーの不正取引によって、49億ユーロ(7620億円)の損失を出した。ディーラー、トレーダーという職業の人間が例外なくもっとも好む話題は、同業の他人が大